最近では、環境に配慮した燃費の良いハイブリッドカーや電気自動車が増え、
ほとんどの車種にハイブリッドの仕様が設定されています。
ハイブリッドカーや電気自動車のことを『HV、EV』などとアルファベットで読んでいますが、
それぞれの違いや、そもそもの正式名称など意外と知らないことが多いです。
特徴も含めて違いをまとめてみましたので、参考にして下さい。
EV(電気自動車)
まずは、EV(電気自動車)についてです。
EV(電気自動車)は、モーターを動力源として、電気エネルギーを運動エネルギーに
変換して走行する自動車のことで、『Electric Vehicle』の頭文字を取って
『EV』と呼ばれています。
電気自動車にもいくつか種類があり、バッテリーの充電方法によって分類され、
二次電池式、燃料電池式、太陽電池式などがあります。
太陽電池式電気自動車
太陽電池式電気自動車は、一般的にはソーラーカーと呼ばれ、
太陽光発電によってバッテリーを充電して走行する電気自動車です。
二次電池式電気自動車
二次電池式電気自動車は、プラグをさしてバッテリーを充電して走行する電気自動車で、
一般的にEVという場合は二次電池式電気自動車のことを指します。
またプラグを指して充電することから『プラグインEV(PEV)』と
呼ばれることもあります。
電気自動車で有名な日産リーフやテスラは、二次電池式電気自動車になります。
バッテリーの充電はプラグをさして行いますが、
走行中にブレーキを踏んで減速する際に発生する回生エネルギーも
バッテリーに蓄えられます。
最近のプラグインEVの航続距離はかなり延びていて、
リーフが400km、テスラのモデルSが647kmで、
通常のガソリン車と同じくらいの距離を走ることができます。
燃料電池式電気自動車
燃料電池式電気自動車は、燃料電池で発電した電力で走行する電気自動車で、
『Fuel Cell Vehicle(燃料電池自動車)』の頭文字を取って、
『FCV』や『FCEV』と呼ばれています。
現在実用化されているFCVは、気体の水素を燃料として、
大気中の酸素と反応させることで発電していて、
トヨタのMIRAIがこのシステムを搭載しています。
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HV(ハイブリッド自動車)
次に、HV(ハイブリッド自動車)についてです。
HV(ハイブリッド自動車)は、エンジンとモーターの2種類の動力源を搭載する
自動車のことで、『Hybrid Vehicle』の頭文字を取って『HV』と呼ばれています。
電気自動車と同様に、ハイブリッド自動車にもいくつか種類があり、
シリーズ式ハイブリッド、パラレル式ハイブリッド、
両方を組み合わせたシリーズパラレル式ハイブリッドがあります。
シリーズ式ハイブリッド
シリーズ式ハイブリッドは、エンジンで発電機を動かすことで発電し、
発電した電力でモーターを回して走行します。
あくまでもエンジンは発電用のため、走行するための動力源はモーターのみになります。
ハイブリッド自動車に分類しましたが、レンジエクステンダーEVとも呼ばれ、
プラグインEVの弱点である航続距離の短さを補うためのシステムです。
バッテリーへはプラグをさして充電を行い、
さらにエンジンを動かすためのガソリンを給油しておきます。
走行してバッテリーの電力が落ちてきたら、ガソリンでエンジンを動かし、
エンジンによって発電機を動かして発電し、航続距離を延ばすことができます。
日産のノート e-POWERなどが、このレンジエクステンダーEV(シリーズ式ハイブリッド)になります。
さらに、マツダが2022年にロータリーエンジンを発電用に搭載した
レンジエクステンダーEVを市販すると発表しています。
パラレル式ハイブリッド
パラレル式ハイブリッドは、エンジンとモーターの両方を動力源として走行します。
パラレル式ハイブリッドの場合、エンジンのみで走行するエンジン走行、
モーターのみで走行するEV走行、エンジンとモーターで走行する
ハイブリッド走行がありますが、あくまでもエンジン走行が基本となります。
特に、発進時や急加速時にハイブリッド走行を用いることで、
モーターがエンジンをアシストしてくれるので、燃費を良くすることができます。
パラレル式ハイブリッドの弱点は、エンジンを使って発電をすることができないため、
モーターを動かすための電力は、ブレーキを踏んで減速する際に発生する
回生エネルギーのみになります。
そのため、電力が小さく大きなモーターを搭載することができないので、
モーターのみで走行するEV走行ができなかったり、
バッテリーの電力が落ちてくるとモーターによるアシストができなかったりします。
軽自動車によく採用されているマイルドハイブリッドと呼ばれるシステムが、
このパラレル式ハイブリッドになります。
シリーズパラレル式ハイブリッド
シリーズパラレル式ハイブリッドは、シリーズ式ハイブリッドとパラレル式ハイブリッドを
組み合わせたシステムで、エンジンとモーターの両方を動力源として走行し、
さらにエンジンの動力を発電にも使うことができます。
エンジンの動力を走行と発電の両方に振り分けて使用するため、
スプリット式ハイブリッドとも呼ばれています。
シリーズパラレル式ハイブリッドの場合も、エンジンのみで走行するエンジン走行、
モーターのみで走行するEV走行、エンジンとモーターで走行する
ハイブリッド走行があります。
エンジンとモーターを上手に使い分けて走行するハイブリッドシステムのため、
最も効率の良いシステムですが、機構や制御がとても複雑です。
シリーズパラレル式ハイブリッドを採用している最も有名な車種は、
トヨタのプリウスになります。
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